Last Wing



《怖くて、怖くて…目を瞑ってしゃがみこんだの。もう、この暗い場所から一生出られない、解放されない…そう思った》


そこで、刻まれる文字が止まり、美音は俺と向かい合う。


《だけど、祐樹が来てくれた》



涙はすでに止まっていて、俺を見上げる顔には笑顔が浮かんでいた。



《祐樹が…あたしを、助けてくれた》



眠っている美音の手を、ずっと握っていたのは、ちゃんと意味があることだったんだ。



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