Last Wing
月明かりに照らされて、青白く輝く…あいつがいた。
「お前…」
少し睨んでやっても、何とも思わないらしく、無表情で俺を見る。
その空っぽな瞳は行けば?と言っていた。
行って、自分から目逸らして、逃げたら?……そう言っていた
「逃げてなんかねぇよ!俺は進むために…っ!」
……嘘だ
病院という名の鳥かごにいると、怪我を…翼がもがれたことを認めなきゃいけないから。
だから、“逃げ出そうとした”
本当に弱いのは……俺だ。