Last Wing
あたしが目覚めた次の日、お母さんたちに会いに行った。
祐樹もついていく!って言ってくれたけれど、これはあたしが一人で越えなきゃいけない壁だから、と断った。
家の前に着いた時、またパニックになりそうだったけれど、不思議ね。
…祐樹を思い浮かべると心が鎮まる。
そこから先は全然記憶がない。
ただ覚えているのは、
『美音…っ』
勢いよく抱き締められたこと。
『ごめんなさい…ごめんなさい…っ』
お母さんたちに謝られたこと。
『愛してるわ…っ』
あ…たしのことを……愛してくれていたこと。