Last Wing
幸せの崩壊まで
「祐樹くん!このままだと、もう少しで退院できるわよ」
あと……少し。
ナースステーションで、看護師さんたちがそんな話をしているのを、ただ呆然と聞いていた。
まるで冷水を頭からかぶったみたいに、冷えて、震える体。
あたしは、逃げるように部屋に戻り、ベッドに突っ伏す。
「………っ」
そう、祐樹と出会って…あと少しで3ヶ月。
……祐樹の退院の日が迫ってきていた。
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