Last Wing
「お前はどんぐらいここにいんだよ、?」
それならお前はどのぐらい耐えたんだよ
挑戦的な視線を向けると、冷え冷えとした視線が返ってきた。
そしてあいつは、右手を全て、左手の人差し指だけ広げた。
「ろ…く…年…?」
呆然とした俺の口から洩れた言葉を無視し、あいつはくるりと踵をかえし元来た道を帰っていった。
手のひらを強く握る。
「………」
窓から差し込む明かりだけ二羽の堕ちた鳥たちを見つめていた。