Last Wing



「美音ちゃんは、美音ちゃんが決めた道を進みなさい」

「!」



びっくりして、目を見開きながらお母さんを見つめると少し寂しそうに笑われた。



「美音ちゃんは、自分の幸せだけ考えればいいのよ」



どうして、なんで、……そんな言葉ばかりが浮かんでは消える。


「祐樹にとって、美音ちゃんはたしかに光だった……だけど、それが美音ちゃんにとって重荷になってほしくない」


あたしの瞳からポロリと涙が溢れ落ちる。


「あなたたち二人にはずっと…笑い合っていてほしいから……美音ちゃん。貴方が決めた道を進みなさい」



全部…わかっていたんですか?



< 268 / 367 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop