Last Wing
それに彼は、まだ受け入れることができてない
自分の状態を
そんな人にわざわざ現実を教えることが出来る程、あたしは強くない。
だけど、と小さな蟠りがこの前から心のなかにこびり付いてた。
…どうして彼を助けたんだろう…
この前の夜のことを思い出す。
ただ、夜風にあたろうと思って病室の外にでたら彼を見つけてしまった。
それで、いつものあたしなら気にしないのに何を思ったのかついていった。
なんとなく、
苦しんでいる彼を知らない振りはできなかった。