Last Wing



「お袋となに話してたんだよ?」


窓の外に流れる景色を見ながら、祐樹が聞いてきた。



あたしは、指を口に当てて内緒、と笑った。



「なんだよー!気になん……っえ!?」


おもむろに指を絡ませると、途端にあたふたとする祐樹。


「みみみみみみみのっ!?」


あたしを撫でてくれる手。

あたしの頬に触れながらキスしてくれる唇。

そして何より世界で一番優しい、目。


全てが……愛しくてあたしの宝物でした。




でも、それもあと少し。




タイムリミットまで、あと……。



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