Last Wing
消えた天使
「…?祐樹くん、どこ行くの?」
「どこって……みの」
「あー!祐樹くんっ、リハビリしようか」
「ちょっ」
仮にも患者に暴力振るうな!と叫びたいところだが、俺の意識はもう5日は会っていない少女のもとへ飛んでいた。
実家から帰ってきた日、屋上で会ったっきり。しかも、あの時美音、先に帰っちゃってたし。
美音の温もりを感じた唇に触れると、会いたい想いは増していくばかり。
「やっぱ、行く!」
「ちょ、祐樹くんっ」
先生の手を振り切って美音の病室へ走りだした。