Last Wing
荒い息を抑えようと、深呼吸し遠くを見つめる。
駅はまだ…あんなに遠い。
瀬那がくれたプレゼントは、鳥籠の鍵は、時間が来たら無くなってしまうのに。
刻まれてる時間まで、あと10分。
間に合わない…。
「美音っ!!」
後ろからクラクションが鳴り、名前を呼ばれる。
振り向くとお父さんとお母さんが車の窓から顔を出して、あたしを読んでいた。
なんで…?
「祐樹くんに会いに行くんでしょうっ!?」
「美音、早く乗りなさいっ!」
ねえ、どうして?