Last Wing
駅が近くに見えてきて、ここで降ろしてと合図をする。
「美音、祐樹くんのところまで送るぞ?」
あたしは、それに対して首を横に振る。
瀬那がくれた鍵を使わなければ、祐樹には会えない気がするの。
お父さんたちに送って貰った方が早い、かもしれないけど。
自分の足で祐樹のもとへ、歩いていきたい。
「……わかったわ。いってらっしゃい、美音」
「無理はするんじゃないぞ」
祐樹が待ってると思えば
瀬那がくれた鍵があれば
皆がついててくれるなら
あたしは無敵になれる。