Last Wing



メッセージカードには、ただ一言。


“行ってきな”




まるで、瀬那がそこに座って応援してくれているようで。


あたしの涙腺をすぐに刺激する。


座席に座り、隣にファレノプシスを置く。


そして、手紙をもう一度取り出した。



震える指を押さえて、溢れる涙を我慢して。



あたしは、祐樹の優しい文字を目で追う。




追い始めたと同時に電車は発車した。



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