Last Wing



視界が白く染まる。


美音のワンピースがフワリと波打った。



久しぶりの腕の中の温かい存在は、変わらずに一定の鼓動を刻んでいた。



俺の胸に顔を押し付け、震える美音の頭を軽く撫でる。


……柔らかい髪も変わらない。



「美音、あのさ……っ!?」


言葉の続きは、急に顔を上げた美音の唇に吸い込まれた。



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