Last Wing
《なんて、花?》
「あ、えっとなー、おばちゃんに書いてもらったメモがある!」
手をポケットに突っ込み、紙切れを出す。
「えっと……
…………はっ!?」
紙切れには信じられないことが書いてあり、思わず声をあげる。
そんな俺に美音も不思議そうに首を傾げていた。
《どうしたの?》
「や!なんでもない!気にすんなよっ?」
《?名前は?》
「む…無名だよ!名無し!」
《……名無しの花なんて聞いたことない。》
「め…珍しいんじゃねっ?」
訝しげに俺を見る美音の視線が気まずくて、目を逸らす。
《ほんとに、不思議な人》