Last Wing
雫は頬を伝い、あたしが走った痕跡を作り出す。
さっきまでの青空は消えて、淀んだあたしの顔のように灰色の雲が頭上に広がった。
―…ぽつ
あたしの雫とは別のものが天から降り注ぐ。
………神様、
神様も悲しいの、?
滲んだ視界に、ぼんやりと泣き叫ぶ神様の姿が見えた。
あたしだって、できるなら
…泣き叫びたい、よ
周りなど気にしないで
思い切り。
感情のおもむくままに、
だけど、それができないのは
あたしが泣き叫ぶこともできない臆病者だからだね