続きはご想像におまかせします
「行ってくる。」

あたしはいつもどおり、
水泳の話から抜け出してきた。


しばらく歩いていると、

「すみません、花鼻中学校って、ここですか?」

エリート高校生みたいな人に声を掛けられた。

「はい、そうです。」

あたしは素っ気なく答えた。

「あ、どうもありがとうございます。

実は僕、この中学の卒業生なんです。

今日は、吹奏楽部の指導に来ました。」

ゆっくりと歩きながら、彼は言った。

「あ、本当ですか?

奇遇ですね。私も吹奏楽部なんです。」

あたしもゆっくりと歩きながら言った。

「へぇ。何吹いてるの?」

いきなりのタメ語。

「トランペットです。

そちらは?」

「クラリネット。」

「あははっ。そんな感じしてますね。」

「そりゃどうも。」

こんな会話をしながら、
あたし達は部室に着いた。
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