続きはご想像におまかせします


あたしは帰ってから、
あの本をもう一度開いてみた。

「嘘だよね。

いくらなんでもそんなこと……。」

ありえない。

『笑顔作りをするといい夢が見れて、
いい夢を見ると幸せになれる』……。

こんなにわかりやすく?

こんなに書いてあったことのとおりに?

絶対おかしい!


あたしは頭を振っておかしな想像を頭から消し去ろうとした。

けれど、なかなか離れていってくれない。


あたしはついに、藤野にメールした。

『昨日は、クリスマスプレゼント、ありがとう。

ところで、あの本ってどこで買ったの?』


ピロリロリン――。

『どういたしまして。

普通に本屋で売ってるよ。なんで?』

『特別な本じゃない?』

『なんかあったの?』

『いや、別に。ごめん、何でもない。

ありがとう。んじゃ。』

『バァイ。』

……そうだよね。そんなわけないよね。


半分安心した。


パラパラ――。

『幸せになる方法』をまた読んでみることにした。

もちろん、深いことは考えずに。
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