続きはご想像におまかせします
「絵里ぃ!
スープ飲まない?」
リビングからの、父の声。
「い、行くぅ!」
あたしは涙を袖で拭いてから、部屋を出た。
「なんだ、目真っ赤じゃんか。
何があった?」
「寝てた。」
「顔洗ってこいよ。」
「うん。」
うまくできるかな、あの話。
あたしは洗面所の鏡と向き合った。
できるよね。
ってか、やらなくちゃ。
「スープって?」
「それそれ。」
「ありがと。」
あたしは、父が入れてくれたであろうコーンスープに口を付けた。
『そういやさ』……
そう切り出そう。
「そういやさ、
コーンポタージュって西洋料理の一つなんだってね。」
どうでもいい話。
言ってる自分もつまんないし、
多分、聞いてる二人も『は?』って思った可能性大。
大失敗。やめときゃよかった。
顔がパッと熱くなる。
でも……
「そうそう。
これはインスタントだけど、
本格的にトウモロコシから作ると大変なんだよな。
俺には絶対できないけど。」
父が乗ってきてくれた。
「当たり前じゃん。
お父さん、ヤバイくらいブキっちょなんだから。
ところで、姉ちゃん、
『トウモロコシ』って漢字書ける?」
「書けるよ。」
あたしは、近くにあった裏紙に書いて見せた。
『玉蜀黍』
「さっすがぁ!
絵里ートだぁ!」
光一がうまいギャグを言ってくれた。
あの本……本物だね。
スープ飲まない?」
リビングからの、父の声。
「い、行くぅ!」
あたしは涙を袖で拭いてから、部屋を出た。
「なんだ、目真っ赤じゃんか。
何があった?」
「寝てた。」
「顔洗ってこいよ。」
「うん。」
うまくできるかな、あの話。
あたしは洗面所の鏡と向き合った。
できるよね。
ってか、やらなくちゃ。
「スープって?」
「それそれ。」
「ありがと。」
あたしは、父が入れてくれたであろうコーンスープに口を付けた。
『そういやさ』……
そう切り出そう。
「そういやさ、
コーンポタージュって西洋料理の一つなんだってね。」
どうでもいい話。
言ってる自分もつまんないし、
多分、聞いてる二人も『は?』って思った可能性大。
大失敗。やめときゃよかった。
顔がパッと熱くなる。
でも……
「そうそう。
これはインスタントだけど、
本格的にトウモロコシから作ると大変なんだよな。
俺には絶対できないけど。」
父が乗ってきてくれた。
「当たり前じゃん。
お父さん、ヤバイくらいブキっちょなんだから。
ところで、姉ちゃん、
『トウモロコシ』って漢字書ける?」
「書けるよ。」
あたしは、近くにあった裏紙に書いて見せた。
『玉蜀黍』
「さっすがぁ!
絵里ートだぁ!」
光一がうまいギャグを言ってくれた。
あの本……本物だね。