続きはご想像におまかせします
「すみません!
和人くんいますかっ?」
あたしはあの古本屋に駆け込んで、
食いつくようにおじいさんに聞いた。
「いるよ。
和人ぉ!」
おじいさんは一瞬目を丸くしたけれど、
その後はにっこりと笑った。
「何ぃ?」
藤野の声だ。
早く来いよ!
「彼女が来てるぞぉ!」
いつもなら顔を真っ赤にして否定するけど、
今は辞めておこうと思う。
「あぁ! 石垣絵里ね! 連れて来て!」
はぁ?
「ごめんね。
ここからまっすぐ歩いて、
階段上って、一番手前の部屋まで行ってもらってもいいかな?」
おじいさんがあたしの背中を軽く押した。