続きはご想像におまかせします


「太田君、これ、見てよ。」

不登校ゲーセン友達、
森井俊貴(もりいとしき)から奇妙なチラシを渡された。

「何これ?」

僕は素っ気なく受け取った。

『友達探ししませんか? ~引きこもり・不登校のお部屋~今すぐアクセス!』

いかにも怪しいものだった。


どうせ……

「ごめんね。

迷惑だったら無かったことにしてくれて全然いいんだけど。

俺はさ、友達っつったら太田くんしかいないし。

……あ、いや、太田くん一人いてくれれば本当は問題なんかないんだけどさ、
仲間って、やっぱ大勢欲しくない?」

森井君は作り笑いを頑張っている。

「やめとけよ。

こんなん、裏があるに決まってんじゃん。」

僕はチラシを森井君の胸に押し付けて返した。

「そうかなぁ。

でも、もしこれで友達作れたら、
人生変わるかもしんないよ?」

「んじゃぁ、アクセスするだけにしておこうよ。

二人でやろう。」

「うん!」

森井君の小さい子みたいな笑顔はいつ見てもかわいい。

なんで森井君が不登校なのかわからない。

僕もなんでいじめられたんだかわからないけどさ。
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