続きはご想像におまかせします
座ったところで、
また話再開。

「詳しく聞きたいですか?」

「はい。」

僕は吸い込まれるように返事をした。

今、僕に『理性』なんてものはない。

ただ単純に、今の状況を受け入れている。

「和人は私の元カレです。

知っていますか?

和人は人間じゃないって。」

「いいえ。

謎な人だとは思っていましたけど。」

「ですよね。

詳しいことはあまりお話できませんけれど、
彼、何でもできるんです。」

「どういうことですか?」

「『魔法を使える』といいますか……とにかく、
彼はやりたいことが何でもできるんです。

死んだ人を生き返らせることも。」

「すごいですね。」

「はは。

で、私は彼に生き返らせてもらったんです。」

「では、あなたは一度……」

「はい。

和人にフラれて、自殺しました。」

「……。」

「そんな顔しないでください。

実は私の単なる被害妄想だったんです。

生き返らせてもらった後、
私は彼に頼みました。

『ごめんね。今度は私と似てる人と付き合いたい。

探してきてよ。

私にピッタリな人。

それで、その人と私を結ばせて。』と。

なんてわがままなんでしょうね。」

「そうですか。」

「退きました?」

「いえ。

……ということは、
藤野君に探されたのは僕ということですよね?」

「そういうことですね。

だから私は、
あなたを運命の人だと信じたいのです。

付き合っていただけますか?」

「構いませんよ。」

なんてあっさり。

でも、これでいいような気がする。
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