続きはご想像におまかせします


心臓が暴れ出す。

ドクン、ドクン、ドクン――。


姉ちゃんの顔だけを思い浮かべながら、
ゆっくり、ゆっくり、教室に向かっていった。

「おい!太田が学校来てんぞぉ!」

ビクッ――。


覚えてる。

この声。クラスの男子だ。

やっぱり、無理だよ……。


僕は足を止めた。

でも……やっぱり歩き出そう!

ここまで来たんだ!

そう簡単には退けない。


階段を上りきったところで僕の目に飛び込んで来たのは、
いいものとは言えない光景だった。

島村花が廊下に倒れている。


そういえばさっき、
『あたし、いじめられてる』みたいなこと言ってたっけ?

島村花の話、聞いてないようで、
実は聞いていたようだ。


気付くと、僕の心臓は暴走をやめていた。

代わりに、得体の知れない怒りが込み上げて来た。

もう、我慢できない!

「島村さん!」

僕は彼女を呼んだ。

そして、ゆっくり近づいていった。


島村花は口を開けて僕を目で追っている。

「どうしたの?」

ある程度近づいたところで、
島村花は僕に話し掛けてきた。


ごめん。

でも、僕の怒りの対象は君じゃない。

後ろにいる女子三人だよ!

名前なんかわかんないけどさぁ。
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