続きはご想像におまかせします

「あの、なんで僕が？」

僕は小さな声で聞いた。

「あぁ。それは本当にごめんな。

不登校の太田なら、
周りにあんまり見られないで愛里と何とか過ごしてくれると思ったんだ。

本当、わりぃと思ってる。

マジごめん。

迷惑かけました。」

藤野和人は僕に軽く頭をさげた。

本当はもっと思い切ってほしかったけど。

「平気だよ。

僕、愛里のこと好きだから。

本気だよ。」

そうだよね……っ？

太田悟、そうだよね……っ？

「え……？」

藤野和人の反応は意外だった。

「まずい？」

僕は急に不安になった。

「あ、いや……マジならありがたいね。

よかった。愛里幸せにしてやってよ！」

「うん。

……ところで、
愛里にはどう連絡すればいいかな？」

「もうメール返信できるんじゃないか？

多分、拒否してた時は感情的になってただけだと思うよ。」

「そっか。あ……ありがと。」

お礼を言う必要なんかなかったのかもしれないけど、
そんなことを思うより口が動く方が先だった。

「んじゃ。」

「あ、待って。

今から消しゴム買いに行くんだけど、
一緒に行かない？」

なんてバカなことを……。

「フッ……」

当然、鼻で笑われた。

「愛里と行けよ。」

「え……、
あ……、
だね……。」

藤野和人、
いい人かもしれない。