続きはご想像におまかせします
僕は愛里と向き合った。

島村花に話を聞かれるとまずいから、
愛里の手を引いて、五歩ほど下がった。

「愛里、誤解し……」

「二回目じゃん。

裏切ったの。」

「誤解だって。

雨降ってきたから一時的に雨宿りしてもらうだけだよ。」

「あたしがいる日に? わざと?」

「……。」

『ごめん。忘れてたんだ』……
言いそうになった口を慌ててつぐんだ。

「黙ってんじゃないよ!」

「ご、ごめんなさい。」

ヤバイ。マジでヤバイ。

「いいよ。

さっきの女の子と悟、
どんな手を使ってでも引き離すから。」

「……はっ?

何言ってんだよっ?

本当、ただ雨が降ったから……それだけなんだよ!

信じ……」

「じゃぁ、あたし、今から悟についていく!

さっきの女の子との会話、
全部聞かせてもらうから。」

「……。

わかった。」

……藤野和人の言っていたことの意味が、
今よくわかった。
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