続きはご想像におまかせします


あ、少し現実をお見せします。

「おまえさ、何考えてんの?」

ここは理科室。


清掃の班が小出とも藤野とも同じ。

本当は六人班だけど、他の三人はサボリだから、
今ここにいるのはあたし達三人だけ。

「あたし?」

あたしは小出に聞き返した。

「そう、おまえ!

別に俺、おまえのこと変な目で見てるとかないけどさぁ、
なんか気になるんだよなぁ。

いつも何考えてんの?」

「考えたいこと考えてる。

そんだけだけど?」

「例えばどんなこと考えてる?

つか、学校楽しいの?」

……。

小出はほうきで掃きながらあたしに聞く。

あたしは雑巾を洗いながら、
ほうきを振り回す藤野を見た。

「小出に言う必要なんかないね。

『学校』?

楽しいよ。」

あたしは藤野を見ながら言った。

そして、

「藤野のおかげで。」

こう付け加えた。
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