続きはご想像におまかせします
「だからぁ、俺が宇宙人だって信じてくれなきゃ教えられないっつってんじゃんかよ。」

ビクッ。

今、藤野が『宇宙人』って……。

本気なの?

……まさかね。

みんなにおんなじこと言ってからかってんだ。

そうだそうだ!

これではっきりしたんじゃないかい?

「なんでそんなこと信じなきゃいけないのっ?」

石垣絵里、反撃開始。

「本当のことだから。」

でも、藤野はそれに冷静に対処する。


……『本当のこと』だって?

「先に解説した方が信じてもらえるか?

じゃ、残念だけど全部話すか。」

藤野が真剣な声を出す。


あたしは天井に耳をくっつけた。

「何言ってんの?

ふざけてんでしょ?」

「ハァ……普通信じるだろ?

こんなに非現実的なことが続けば。

だいたいさ、なんで現実的なことしか信じないわけ?

この世の中、何が起こるかなんてわかんないよ?」

あたしにもおんなじようなこと言ったよね?

「……。」

黙り込む石垣絵里。

「俺さ、宇宙人だから、何でもできんの。

極端なこと言えば、この地球を消すことだって。

わかる?

いもしないじいちゃん作ることも、
犯罪者に自分を襲わせることも、
本に魔法かけることも……全部できるんだよ。」

は……?

そこまで冗談で言う?

やっぱりマジなの?


あたしは珍しく混乱した。

だって……クラスメイトが『宇宙人』だよ?

信じられる?

そんなの……現実にありえる?

「なぁ、絵里。」

藤野の声が低くなった。
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