続きはご想像におまかせします


雪が積もってきた。

「はぁ……。」

意味ありで出た、気持ちのいいため息。

白いものがあたしの口から煙のように出た。

すると、体がフワッと温かくなった。

と、その時気付いた。

『今から俺は、魔法を使わずに君の心を変えてみせます。』

あたしの心、確実に変わってる。


『嫌われてもいいから』、
今までそんなこと言ってきたのに、
なんで『なんで地球に来たの?』って聞けなかったのか。

藤野に悪い気がしたから……それって、
『嫌われてもいい』人がすること?

あたし、あの時、絶対に嫌われたくなかった。

というより、好かれたかった。

藤野に気使ったんだ。


雪が止んだ。


あたしは足元に目をやった。

白い雪……。

藤野和人の雪……。

「好きだよ。」

あたしはその雪をすくい、小さくキスした。


本当、あたし、どうしちゃったんだろうね。
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