続きはご想像におまかせします
「みんな、おはよう。」

気付けば、もう先生が教卓の前に立っていた。

「冬休みはどのようにして過ごしましたか?

みんな、まだお正月ボケの顔をしていますが、
少しずつまた学校生活に慣れていってください。

はいっ!

じゃぁ、体育館へ移動。」

……嘘ばっかり。

誰も『お正月ボケ』なんかしてねぇっつの。


あたしは、今にも口に出してしまいそうな言葉をグッと押し込めた。


ほら、やっぱりあたし、周りに気使ってる。

以前まではそんなことなかったのに。

言葉を我慢したことなんかなかったのに。

藤野……あたし、彼に変えられたんだ!

しかも、あの魔法はなしで。


いろいろ考えながら体育館へ歩いていく。

体が燃えるよいに熱くなっている。

「安藤! おい、安藤! 安藤真奈!」

誰か(いや、複数)があたしを呼んでいる。

わかってる。

誰の声かも。

でも、振り向いてしまうのは本気で怖かった。

「大丈夫かよっ?」

突然、頭を気持ちいい具合に殴られた。


反射的に振り向くと、あたしは倒れそうになった。
< 191 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop