続きはご想像におまかせします
「頭の良さってのはテストとは無関係だよ。」

藤野はにこりと笑った。

「どういうこと?」

「説明すんの面倒だな。

……とにかく、おまえには才能があるんだよ。

ウィッシュバトルを止める能力が最初から備わってる。

……なんだ、その顔は。

……んじゃぁ説明するよ。

ウィッシュバトルって、特別な戦争だろ?

止めるには、政治的な力も科学的な能力もいらない。

必要なのは、ライフプラネット人の心を読み取ることだ。

ある意味心理学的な能力かな。

おまえにはその能力がある。」

「あたしに協力しろと……?」

「だからさっきも言ったろ?

強制じゃない。

けど、できればやってもらいたい。

だからこれまでずっとおまえに『俺が宇宙人、っていうかライフプラネット人だ』って伝えようとしてきたんだよ。

んな無意味に信じさせたりしない。」

「『無意味に信じさせたりしない』?

ってことは、石垣絵里も?」

「あぁ。

あいつにもおまえと同じような才能があった。

最初は絵里にしようと思ってたんだ。」

「最低。

……好きじゃないのに『付き合って』とか言ったんだ。」

「やっぱそういうのってマズイか。

まだわかんないんだよ。

人間の基準がさ。

恋愛とか。」

「そう。」

ってことは、あたしは好かれてないんだろうか。

藤野は、あたしに恋愛感情を抱いてはくれないんだろうか。
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