続きはご想像におまかせします
……。

わざとじゃないけど、
しゃべれなくなってしまった。

「あ、ごめん。」

「別にいいよ。

……あたし、協力するね。」

『最低』でも、あたしは藤野のことが好き……それに変わりはない。

「いいのか?

そんな半端なもんじゃねぇぞ。

俺はライフプラネット人だから死なねぇけど、
おまえは人間だからな。

ミサイル一本落ちてくるだけで死ぬぞ。」

「……守ってくれるんだよね?」

「できる限りのことはする。」

「じゃぁ協力するよ。

ここで断ったら一生後悔するような気がするからね。

藤野が精一杯守ってくれるっていうなら、やる。」

うん。そのとおり。

迷うくらいならやろう!

「おまえ、最高だよ。」

やったぁ! 藤野に認められたんだ!


あたしはニコリとした。

本当はガッツポーズしたかったんだけどね。

「じゃぁ、早速。

これ、おまえに渡しておく。」

藤野があたしに差し出したのは、
黒いケータイだった。

「何に使うの?」

「これさえあれば、おまえも俺と同じように、何でも願いが叶う。

いや、『何でも』ってわけでもないか。

無理なものもあるけど。」

「あたしがっ?

あたしも藤野みたいに……?」

あたしはもう興奮を抑えられなかった。


うれしい。こんなにもすばらしい方法で藤野の役に立てるんだ。

「人間のおまえの方が俺より理性がある。

俺が本能に従って間違ったことをしようとした時はひっぱたいてでも元に戻してくれ。

いいな?」

「はい!」

よし!

絶対精一杯やってみせる!

「んじゃ、このケータイの使い方なんだけど……。」

絶対藤野の役に立ってみせる。

絶対世界を守ってみせる。
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