続きはご想像におまかせします
太田！

あたし、あんたに後悔させないし、がっかりさせない！


あたしはダッシュした。

行き先は決まってんじゃん。

吉澤だよ！　よ・し・ざ・わっ！

あいつに、言いたいこと言ってやる！

「おい！　吉澤！」

あたしは三組に怒鳴りこんだ。

幸い、先生はいなかった。

「何か？」

女子に囲まれていた吉澤は、
めんどくさそうに席を立った。

「くだらねぇことやってんじゃねぇよ！

何が『いじめ』だっつの。」

あたしは彼に強く言った。


見物者多数。

別に気にしてないけど。

「は？　俺はこの学年のためにこうしてんだよ。」

吉澤は冷静に答えた。

「それ、絶対に後で後悔するよ！」

「意味わかんねぇよ。

……つか何だよ急に……。」

「かっこいいこと言うつもりないけど、
あたしも、おまえとおんなじ考えでこいつのことめちゃめちゃにしてた。」

あたしは太田の方に顔を向けた。

「だから？」

「『だから』っつぅか『でも』、今は後悔してんの！

今、正直言って、いろいろ恥ずかしいし、
なんか太田の顔見るのもつらいって感じだし。

おまえもそのうちこうなるっつってんの！

ありきたりな言い方かもしんないけど、
『最後は自分に返ってくる』んだよ！

これ、絶対嘘じゃないから！」

「……長々しいセリフをどうも。

でも俺は例外だから。

ただのいじめっ子じゃねぇんだから、
おまえと同じことにはなんねぇよ。」

「はぁ？

おまえは『ただのいじめっ子』以外の何物でもないよ！」

「あのなぁ、おまえ、
俺がいなかったら昔の性格のまま中学終わってたところだったんだぞ？

俺に感謝すべきなんじゃねぇの？」
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