続きはご想像におまかせします
あの日から、
あたしと太田は仲良くなった(とあたしは思う)。
傷付けてきたこと、まだちゃんと謝れてないけど、
今はこれでいいのかもしれない。
そう思ってしまう自分にまたイライラするけど、
なんか、それ以上の感情があるんだよね。今のあたしには。
何だと思う?
太田と一緒にいたくて、
太田といるとすごい嬉しくて、
毎日太田のことばっか考えてて……。
あはっ。気付いた時、自分でもびっくりした。
あたし、『恋』してんだね。
別に『甘い恋』みたいなやつじゃない。
なんか、気になっちゃうって感じの微妙なとこ。
でも、『激愛』とかいうのよりも、
『微恋(“微妙に気になる恋”って意味の、あたし語)』の方が、
心を刺激される気がする。
激愛なんてしたことないけどさ。
そんなわけで、
あたし、太田にコクりたくてしょうがない。
『好きだから』――彼にそう言う夢を何度も見た。
告白のイメージトレーニングだってしてる。
それくらいの『微恋』。
『微妙』だけど『本気』みたいな……。
なんか矛盾してる感じするけど、
ホントのこと。
嘘ついてどうすんのよっ?
『好きだから』……『好きだから』……。
さらりと言いたい。
でも、その言葉は自分の中の禁止ワードみたいで、
なかなか口からは出てこない。
恥ずかしいっつぅか、なんつぅか……。
あたし、マジで自分のことわかってないね。
『なんか』とか『なんとなく』とか『わかんないけど』とかばっか。
でもしょうがないじゃん。
ホントによくわかんないんだから。
なんでこんな気持ちになるかなんてさ。
こんな気持ちになっちゃったんだから、
受け入れるしかないじゃん?
……ホントに受け入れられてるかどうかはわかんないけど。