続きはご想像におまかせします


気付けばあたしらは教室の中。


大丈夫。もう怖くなんかない。

ちゃんと二人だから。


一人で堂々としてられることに超したことはないけど、
そんなことできないから、二人でいればいいじゃん?

二人でいられることがこんなに心強いなんて……。


あたしの心臓がまた軽快に鳴りだした。

「おい、島村。」

後ろの席の女子があたしの名前を呼んだ。

すっかり、呼び捨て&タメ語で、
おまけに男子みたいに。

もう全然いいんだけどね。

「ん?」

あたしは振り返った。

「島村さ、勝ったんじゃね?」

彼女は内緒話をするような声で言った。

「『勝った』?」

あたしは聞き返した。

「吉澤にだよ。」

「どういう意味?」

「あいつ、今クラスで嫌われてんだってさ。しゃしゃりすぎで。」

「だから? なんでそれであたしが勝ったことになるわけ?」

「え、だってこの前三組で宣戦布告してたじゃん。」

「あぁ。あれは、『吉澤があたしをいじめてたことを後悔するかどうか』だよ。

嫌われてるとか関係ないから。」

「そうだけどさ、結果的には後悔するんじゃね?」

「まだわかんないよ、そんなの。

それに、あの勝負、あたしが調子に乗って言っちゃっただけで、
そんなに大きなもんじゃないから。」

「そぉ。」

会話終了。
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