続きはご想像におまかせします


二学期末考査、テスト返却。

「先生、トップ、誰ですか?」

隣の席の小倉(おぐら)が叫ぶように言った。


先生は苦笑いで首を傾げた。

そりゃそうだ。

トップはこいつなんだから。

小倉っていうやつ。


バカだなって思う。

それで先生が『小倉だよ』とか言えば女子にキャーキャー言われる……
それが楽しみでしょうがないなんて、
あんた、何しに学校来てるの?


ちなみに、あたしは最下位。

ごめん、勉強できないの。

「おまえ、いくつだった?」

小倉がニタニタしながら聞いてきた。


あぁ、ほんとにバカだね。

もうあんたに明日はないよ。


あたしは手をグーにして、
一発殴ってやった。

当然小倉は鼻血ブー。

「ってぇなぁ……」

小倉は顔を隠しながら、つぶやくように言った。


教室は静まった。

先生も静かになった。

誰もあたしを責めたりしない。

「花、最高!」

望が拍手した。続いてみんなも。
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