続きはご想像におまかせします
ん?


俺はふと気がついた。

カズゥ、なんか今日動き鈍いな。

「カズゥ! おまえ、どこ蹴ってんだよ?」

俺はさりげなくカズゥの蹴ったボールを蹴り返した。

「……! んっ?

あ、わりぃ。寝不足だ。

ヤベェな。試合近いのに。」

カズゥは無理矢理な笑顔で俺を見た。


『寝不足』か。

珍しいな。カズゥにもそんなことがあるんだ。

「おはよう!

じゃ、今日は改めて基礎を固め直そう!

二年は、ドリブルした後シュート!

一年はディフェンスにまわれ!」

ヒゲちゃんが指示を出した。

「はい!」

俺らはデカい声で返事をした。

この返事のデカさは、どの部にも負けてねぇらしい。

いや、最近は吹奏楽と並んでんのかな。


つか……やっぱカズゥの様子がおかしい。

カズゥが寝不足なわけねぇじゃんか。

なんか、他のこと考えてるっぽい。

悩んでんのかな?

少し調べてみる価値がありそうだ。
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