続きはご想像におまかせします
昼食の時間。
「先生、ちょっとトイレ行ってきてもいいですか?」
俺は早退大作戦を実行。
急に保健室行くっつのはやっぱ怪しいから、
まずは具合悪そうにトイレへ。
しばらくトイレで時間をつぶした後、
俺は完璧な演技モードに入った。
俺、こういうのマジで得意なんだよ。
「先生、ちょっと保健室行ってきてもいいですか?」
インフルエンザの前兆みたいな顔で
俺はヒゲちゃんに聞いた。
「大丈夫か? 一人で行けるか?」
ヒゲちゃんはマジで心配してくれた。
「はい。」
俺は苦しそうにそう頷いて、
教室を後にした。
もちろん、これで終わりじゃない。
保健室でもかなりの嘘をつかなければならない。
まず、体温。これは、まあ大丈夫だった。
保健の先生に体温計を見られなければいいだけの話だから。
次、親への電話。
これは少し辛かった。
「自宅には今誰もいないので、
母の番号にかけてもらってもいいですか?」
そんな大嘘を言って、俺は自分のケータイ番号を保健の先生に渡した。
何も知らず、先生は俺の番号にかける。
すると、家にある俺のケータイに電話がかかる。
もちろん誰も出ないから、留守番電話に。
先生は何も知らずに、
俺のケータイに『龍一くんを早退させます』なんて音声を吹き込む。
先生はうまく俺のトリックにかかった。