続きはご想像におまかせします
と、その時、
背後から荒い息遣いが聞こえた。

「ハァ……ハァ、ハァ……。」

カズゥっ?


俺は反射的(そんくらい速くって意味な)に振り返った。

「カズゥ? ……おい!」

俺は声を絞り出した。


顔面傷だらけでフラフラと歩いてくるカズゥ……。

「小出……?」

カズゥは俺を『コイっちぃ』とは呼ばなかった。

「なんでいんだよ?

学校じゃねぇの?」

カズゥは口の端から出ている血を手で拭った。

「カズゥのことが心配で……早退してきたんだよ。」

俺はなんとか口を動かした。

まだ今の状況が理解できない。

「バカだろ……? おまえ……」

カズゥは目を細めた。

「……つか、んなことどうでもいいじゃんか。」

「……。鍵開けてくれるか?」

カズゥは俺に鍵を渡した。


俺はカズゥの家を開けた。
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