続きはご想像におまかせします
「……って……。」

舌が鉄の味を感じている。


唇の端からタラタラと赤い液体が流れた。


吐血……っ?


殴られたのは顔面なんだから、
血を吐くわけなんかないのに、
俺は瞬間的にそう思った。


今、俺の頭の中に『常識』なんて言葉はない。

当たり前だ。

自分より力の強い奴に殴られたなんて初めてなんだから。

「龍一ぃ!」

明美の叫び声が余計に俺を興奮させる。


何が何だかわからない。

現実にこんなことがあるなんて信じられない。
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