続きはご想像におまかせします
ピンポン――。
多分警察。
「じゃ、後はご自由に。」
妹は大人っぽくそう言ってこの部屋を出て行った。
……。
生意気な妹だ。
「はい!」
俺は家のドアを開けた。
「警察です。」
外に立っていたのは、
予想通り二人の警察だった。
男と女。
自分がサスペンスドラマの主人公になった気分だ。
『事情聴取』ってやつだな。
「どうぞ。」
俺は二人をリビングに案内した。
そして、二人とテーブルを挟んで向かい合った。
「もう体は大丈夫?」
女の方が言った。
「あ、はい。」
俺はあいまいに頷いた。
『犯人の特徴は?』
『電話は本当に本人の声だった?』
『犯人に心当たりは?』
『最近、誰かに恨まれるようなことはあった?』
『着信記録を見せてもらえる?』……。
その他、同じような質問を二十個ほどされた。
もちろん、何の心当たりもない。
多分、まともなことができたのは、
着信記録を見せたことぐらい。
後は全部『わかりません』。
事実だから。
「協力ありがとう。
じゃ、お大事に。」
「お大事にね。」
二人は用を済ませて帰って行った。