続きはご想像におまかせします


「入って。」

「あぁ。」

カズゥの家は前行った時と何も変わってなかった。


前と同じ様に、カズゥはソファー、
俺はそこから少し離れた椅子に座った。

「悪かったな。いろいろと。」

カズゥは静かに言った。

「気にすんなよ。

で、何だよ?」

「『何だよ』っていうか、
俺に聞きたいこととかないの?」

「まあ、いろいろあるけど。」

「好きなだけ質問していいよ。」

……。んなことできるか?

『好きなだけ』って……それが一番困るんだよ。


俺はなかなか口を開けなかった。

「ないのかよ?」

「あるよ。」

「じゃ何だよ?」

「……全部話せよ!

おとといのこと全部!」

「……。」

カズゥはため息を吐いた。


わかってるよ。

『全部』も困るよな?

でもさ、俺らの会話ってこんな浅いもんだったっけ?

前の俺らなら、
『好きなだけ』でも『全部』でもちゃんと会話続いたはず。

むしろ、本当に好きなだけ全部を話したはず……。

なのにどうしてだ?
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