続きはご想像におまかせします
「では、充実した冬休みを過ごしてください。
それでは、第三十ニ回、
花鼻中学校、修了式を閉式致します。
……気をつけ! 礼!」
やっと終わった。
明美達と教室まで戻った。
「絵里、これあげるよ。」
「はっ?」
聞き飽きた声が突然降ってきて、
思わずあたしは腹式呼吸みたいな声を出した。
藤野の手には、一冊の本。
「何そんな驚いてんだよ?
クリスマスプレゼントだって。」
「……。」
一番前の端の席でこんなことをしてるあたしら男女は、
どんな目で見られてるんだろう?
明美には誤解されたくないけど……。
「受け取ってくんないわけ?」
「って、急に言われてもね。」
ドキドキなんてしてない。
好きじゃないし、
向こうが『好きですオーラ』丸出しなら、
なんか安心してられるし。
「あげるっつってんじゃん!」
「……貰っといてあげるよ。」
こんな風に受け取った自分が……嫌い。
好きとか嫌いとか関係なしに、
『ありがとう』って……言えばいいのにね。
何やってんだろ、あたし。
きれいに包装された一冊の本を、
あたしはバックに押し込んだ。
それでは、第三十ニ回、
花鼻中学校、修了式を閉式致します。
……気をつけ! 礼!」
やっと終わった。
明美達と教室まで戻った。
「絵里、これあげるよ。」
「はっ?」
聞き飽きた声が突然降ってきて、
思わずあたしは腹式呼吸みたいな声を出した。
藤野の手には、一冊の本。
「何そんな驚いてんだよ?
クリスマスプレゼントだって。」
「……。」
一番前の端の席でこんなことをしてるあたしら男女は、
どんな目で見られてるんだろう?
明美には誤解されたくないけど……。
「受け取ってくんないわけ?」
「って、急に言われてもね。」
ドキドキなんてしてない。
好きじゃないし、
向こうが『好きですオーラ』丸出しなら、
なんか安心してられるし。
「あげるっつってんじゃん!」
「……貰っといてあげるよ。」
こんな風に受け取った自分が……嫌い。
好きとか嫌いとか関係なしに、
『ありがとう』って……言えばいいのにね。
何やってんだろ、あたし。
きれいに包装された一冊の本を、
あたしはバックに押し込んだ。