ごめんね。でも嬉しかったよ
そう言うと、彼は微笑んで言った。

『もしビリになったら、俺が一位になってやる。だから、安心して最後まで走ってこい。』

その一言が、私の震える足を止めた。

嬉しかった。

彼は優しいから、誰にでもこういう事するんだろうな、

なんて考えながらスタートラインに立った。
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