SCU─始まりの章─
「こりゃあれだな、あれ。あの〜・・・校長室にあるやつ!!」
どうやら健太郎は、学校の校長室にある歴代校長の顔写真を思い出したらしい
「ふう、すっきりした!」
そう言って、健太郎はありもしない汗を拭き取った
歩きながら一人一人の顔写真を見てみた
「あ?なんでここだけ壁の色が違うんだ?」
最後の写真を見終わると、あることに気づいた
最後の写真の右に、額一つ分日焼けしていない部分があった
周りは薄い緑色なのに比べ、そこだけは濃くきれいな緑色だった
健太郎が不思議に思っていると、背後にある襖(ふすま)が開いた
「!!」
健太郎は慌てて座布団の場所まで戻り座った
ガタッ
ガタガタッ
「ふむ・・・どうやらたてつけが悪いようじゃな」
そう言いながら入ってきたのは、一見どこにでもいそうな普通のおじいさんだった