SCU─始まりの章─
「よっこらせ」
おじいさんは健太郎から2、3mほど距離をとったところに腰をおろす
「・・・」
「茶でも飲むかね?緋狐の煎れる梅こぶ茶は最高じゃぞ」
「け、結構です」
その後約5分間の沈黙が続いた
「そんなに緊張することはない。脚をくずしなさい」
「は、はい」
ちょうど足がしびれてきていたので、健太郎は遠慮なく正座からあぐらへと体勢を変えた
「先ほどは部下が迷惑をかけたようじゃな」
「え?部下って・・・?」
「三人会ったじゃろう?
第5部隊隊長・
錐竹 芙木世
(きりたけ ふきよ)
、
第3部隊副隊長・
卯月 慎
、
そして
第2部隊隊長・
三木丸 鷹二
(みきまる ようじ)
あやつらはわしの部下じゃ」
健太郎は自分を迎えにきた卯月とさっき会ったばかりの帽子の少女、白髪の男のことかと思った
「あ、あなたは一体・・・」
「ほっほっほっ。これはこれは、紹介が遅れてしまったのォ。わからんのも無理ないわい」
「(この人、もしかして・・・)」
「わしはSCU本部総長、ハーネス・ベルじゃ」
「やっぱりいいいいいいいいいいいいい!!!!」
健太郎の叫び声は屋敷全体に響き渡った