SCU─始まりの章─
「やっぱり?」
総長は健太郎の言葉に首を傾げる。
あまりの驚きに立ち上がっていた健太郎は、上から総長を見つめたまま立ち尽くしていた。
「あの手紙はあなたが・・・」
さっきの大声とはうってかわって、今にも消え入りそうな小さな声で呟く。
「手紙・・・?ああ、任命状のことじゃな?確かにあの手紙を書いたのはわしじゃ」
総長は理解し手をポンと叩く。
「任命状って?」
「手紙には君が入隊することを許可するよう書いてあったじゃろう?あれは仮ではあるがちゃんとした任命状じゃよ」
「仮なんですね・・」
「ほっほっほっ 正式な任命状は君が入隊してから渡すつもりじゃよ」
「えっ・・でも俺、入るつもりは」
「わかっておるわい。あくまで勧誘じゃ。断りたいのなら断っても何も文句は言うまい」
「・・・・」
「ただ一つ、一つだけ知っていてほしい。君が選ばれてここに来たことを」
「!!」
「さて、話は終わったな」
そう言うと、総長は腰をあげ扉の方へ歩いて行った。