SCU─始まりの章─
「・・・・・」
言葉を失い、ぽかんとしている健太郎に、男は言う。
「あの〜・・いい加減開けてくれません?」
はっとする健太郎。
しかし、見ず知らずの他人に・・・
しかもこんなえたいの知れない人間かどうかさえ分からんやつ相手に、すんなりドアや窓を開けてやるほど、健太郎もばかではない。
「いやお前誰だよ!!」
健太郎のするどいツッコミで、男は少し驚いたようだった。
その数秒後、
「はぁ・・」
とため息をつき、めんどくさそうに自己紹介を始める。
「私はSCU第3部隊副隊長、
卯月 慎(うづき しん)
という者です。
本部から貴方を迎えに行くようご命令がありましたので、
(仕方なく)お迎えにあがりました。」
「・・・・・」
「とりあえず早く開けてくれませんか。」
「・・・・・」
まだ疑いつつも、健太郎は窓の鍵をそっと開けた。