図書室のラブレター
そして腕を引っ張って
いつもの彼の席に座らせる。
机にはいつかの手紙が
しっかりと残されていた。
そして私は
ある箇所を指差した。
『好きです』
油性マジックで書かれた文字。
どこかで風が
通り抜けるような気がした。
「…好き…なの」
無理やりに
しぼり出した言葉。
バクバクしていた。
もう呼吸困難になりそうで、
いっぱいいっぱいで…。
どうしよ。
言葉にできない。
怖くて気持ちがいっぱいで
ただ、涙が溢れた。
──はぁ
重い溜息が
彼の口から漏れる。
──迷惑だよね。
───勝手に好きになって
ごめんなさい。