図書室のラブレター
彼はその机の前で立ち止まる。
硬直したまま時は過ぎていく。
長く感じた時間。
でもそれは私の錯覚だろう。
そして、瞬間だった。
気付いたのだろうか。
理解したのだろうか。
一瞬だけ肩がビクッて
震えたように思えた。
そしてその文字をもう一度
見つめた後にこっちを向いた。
一瞬だけ目と目が交差する。
なぜだろう。
変な気分。
バクバクしていた。
(こ、これ何!?)
すると机にあった
マジックペンを手に取り、
机に何かを殴り書きにした。
一言も交わさないまま
彼は飛び出して行ってしまった。