図書室のラブレター



「ねぇ、
何か関係あるの?」


「いいから座れ」




なぜか
私にそれだけを言う。




「晴樹君は座らないの?」


「俺はここ」


「そこってカウンター」




晴樹君は私がいつもいる
カウンターに座った。




何が関係するのか
さっぱりだった。


そもそも関係なんて
あるのかさえ分からない。



だってカウンター席は
斜め後ろの席だったから。



私はいつもカウンター席で、
彼の後姿だけを見ていた。



彼の視線に映らない、
後ろの悲しい席だ。



後ろに目がないと見えない。



もしかして晴樹君には
後ろにまで目があるのかな?


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