図書室のラブレター
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1人、楽しく帰る帰り道。
今日も晴樹君に会えて、
話して楽しかった。
たったそれだけで嬉しい。
やっぱり
冬の夜は早く暗くなる。
その上、
寒い木枯らしが吹いている。
寒くてかじかんだ手が
少し痛くて
白い息を吹きかけた。
「蓮実~~!」
後ろから声を掛けられる。
この声は絶対に
晴樹君でも結依でもない。
振り返ってみる。
そこに立っていたのは街灯に
照らされている龍慈だった。
「あっ…龍慈さん!!」
「名前、覚えててくれたんだ。
蓮実~~~!!」
すっごく嬉しそうに
駆け寄ってきた。