図書室のラブレター



***



1人、楽しく帰る帰り道。



今日も晴樹君に会えて、
話して楽しかった。


たったそれだけで嬉しい。




やっぱり
冬の夜は早く暗くなる。



その上、
寒い木枯らしが吹いている。



寒くてかじかんだ手が
少し痛くて
白い息を吹きかけた。




「蓮実~~!」




後ろから声を掛けられる。



この声は絶対に
晴樹君でも結依でもない。


振り返ってみる。



そこに立っていたのは街灯に
照らされている龍慈だった。




「あっ…龍慈さん!!」


「名前、覚えててくれたんだ。
蓮実~~~!!」



すっごく嬉しそうに
駆け寄ってきた。


< 120 / 293 >

この作品をシェア

pagetop